ピートモス(泥炭)

植栽に使われるピートはピートモスと呼ばれていて泥炭(ピート)を乾燥後に細かく
砕いてできた土壌改良材です

泥炭はピートと呼ばれていて石炭の一種でどちらかといえば石炭と泥の
真ん中くらいの状態のものをいいます。
草炭とも呼ばれていてミズゴケが主で何年も何年も歳月をかけて腐食して堆積します。
特に湿地帯に多く存在します。
カナダやロシアが多いようですが日本では北海道に多くあるそうで、
釧路湿原などの沼地が多くあるのでなんとなく納得ですね。


またスコットランドではスコッチウイスキー作りの中で大麦を乾燥させる際の香り付けに
使われるそうです。そのピートの乾燥によることでスモーキーフレーバーと呼ばれる
独特な薫りを醸し出し、「マッカラン」「ボウモア」「ラフロイグ」等々たくさんの
個性ある銘柄のお酒(スピリッツ)ができるそうです。その土地その土地によって個性がかわるのはあたかも
その土地その土地の土を味わうような感じがして面白く思えますね。

 

土壌改良材として使われるピートモスは主に保水や保湿を改善させる目的に使用されます。
水を含ませてから土と混ぜ合わせて使います。特に大きな効果としてはpH値の調整目的に使用されます。

泥炭中の微生物により有機酸を生成するので酸性化を促せます。

pH値が無調整のものだとpH4前後くらいの強酸性である為、アルカリ土壌の中和にはもってこいとなります。


近年は建物などのコンクリート化が進み、そこに付随する植栽地の庭や緑地帯の強アルカリ化
が進んでいます。コンクリート構造物を破砕した上に建てる建築物や、コンクリート工事で
流れ出た水を多く含んだ土壌をさらに大型重機や転圧敷均しされた土壌などなど。
植物はどちらかといえば中性(pH7)よりも弱酸性(pH6~6.5)を好むものが多い為近年の植栽土壌は
植物にとってとても厳しくなってきているといえます。


一番良いのは植栽土壌ごと変えれればよいのですが費用が大きくかさむことが予想されるので既存の植栽地に
ピートモスを混ぜこみpHの改善を試みることが多々あります。
なかなかすぐに結果が出るものではありませんが、綺麗な葉や花そして美しい樹形を見て喜んでもらえるように
ここは地道な努力が必要と言えます。

 



(https://www.kyoto-yoshimurazoen.co.jp)㈱吉村造園